バージンロードを歩きたい(第7回)

ご本人の目標がいかに大切かが確認できた例を紹介します。このコーナーでは、病棟での日常生活やリハビリの一部を紹介します。 写真は患者様とご家族の同意を得て掲載しております。

59歳男性。高血圧脳内出血を患い、高次脳機能障害と失語があり、入院当初はほぼ全介助でした。移動は車椅子を使用していました。

1ケ月後に娘さんの結婚式にを控えていましたが、「お父さんにどうしても結婚式に出席して欲しい」と娘さんは結婚式を延期されました。「バージンロードを歩くのは無理かなあ」という家族の希望を受け、担当者の間でも「父親としてバージンロードを娘さんと歩く」ことを目標に、多職種で関わりロフストランド杖歩行で右腕を支えれば歩けるまでになりました。

両親への花束贈呈の時も座ることなく立位で花束

5月18日、念願の結婚式を迎えバージンロードを歩くことが出来ました。両親への花束贈呈の時も座ることなく立位で花束を受け取り、父親としての務めをしっかりはたすことができました。結婚式から帰ってきて、スタッフに握手を求めながら、成功した喜びを伝えてくれました。

早期に目標を定め家族、スタッフの意識の統一を図り、ただリハビリをするのではなく、目標をもち、それに向かって頑張れること、本人と家族の思いに寄り添い、目標がいかに大切であるか、それを励みに頑張れるかを確認することが出来ました。