復職の意思があり、「早く歩きたい」という想いが明確に伝わってきた84歳の男性を紹介します。このコーナーでは、病棟での日常生活やリハビリの一部を紹介します。 写真は患者様とご家族の同意を得て掲載しております。

大きなお寺のご住職の患者様。小脳梗塞を患い、失調(体のバランスが悪くなる)、めまいなどが症状としてあり、入院当初の移動は歩行器を使用していました。

入院時より、本人・家族とも「復職」の意思がありました。本人の希望として「(自由に)早く歩きたい」ことも明確に伝わってきました。そこで担当者で話し合い、積極的に生活の中に歩行を取り入れ、お寺での生活場面を知るために早期に訪問を行いました。

訪問では、畳上での生活が主であり、自室から本堂まで約50mの廊下(手すりのない大きな段差や階段、渡り廊下)を進まなければならないこと、病気になる前と同様、布団と夜間ポータブルルトイレの使用を希望されていることが判明しました。洗面・入浴動作も方法の違いがわかり、援助の手がかりを見つけられました。住宅改修の助言とともに、安全に外泊できるよう歩行・段差・床上動作練習を行いました。

自宅環境に合わせ和室へ、靴下・足袋・草履も用意

その後、外泊から帰院された時は「危険もなく、行事も無事に済み安心した」との声が聞け安堵しました。その後、自宅環境に合わせ和室へ転室。座卓・布団・夜間ポータブルトイレを設置するなど環境を整えました。さらに、室内移動に使用する滑り止め付き靴下・足袋・草履を用意してもらい、日常的に使用してもらいました。

自宅での生活を早期に想定

三度日の外泊で「初護摩」があり、護摩壇に座り、1時間半のおつとめを無事に済ませることが出来たそうです。入院しながらも、自分にしかできない仕事を見事に務め上げた患者さまを通して、自宅での生活を早期に想定することによって、患者様とスタッフの意識の統一が図りやすくなり、目標に到達することができることを改めて確認できました。